浄水場見学 - eco-b日記≪日本分析公式ブログ≫

先日、東京都水道局　金町浄水場見学会に参加できるハッピーチャンスがあり、大いに楽しんで勉強して参りました。
なかなか浄水場を見学するチャンスはありませんものね。

金町浄水場の歴史は古く、大正15年8月に日量5.6万立方メートルの緩速ろ過方式の施設として給水を開始したそうです。
その後、水需要の増加や、原水の悪化によるカビ臭原因物質、アンモニア態窒素、合成洗剤や発ガン性がある（または疑われる）物質の除去などのため、最新技術を取り入れながら拡張改良工事を重ね、平成25年度に全量が高度浄水（オゾン接触酸化と生物活性炭ろ過を組み合わせた浄水処理）になったそうです。
浄水場（水道局）の皆さんの努力の賜です！感謝！

水質検査会社の者としては、高度浄水処理でどれくらい有害物質を除去できるのかが大いに気になるところでありましたが、浄水場で配布して頂いたパンフレットを見ると、
・2-ﾒﾁﾙｲｿﾎﾞﾙﾈｵｰﾙ（カビ臭原因物質）
　除去率100％ ← Oh！スゴイ！ワンダホー
・アンモニア態窒素
　除去率100％ ← Oh！ベリーグー！
・陰イオン界面活性剤（合成洗剤）
　除去率80% ← 100%じゃないんだ…
・トリハロメタン生成能
　除去率60% ← ギリ合格？
それだけ、原水が悪化しているということなんでしょうが、最新＆最高の技術を以てしても100%除去にならない物質があるということに少々驚きました。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

個人的には、全国各地にある浄水場で、何故みな高度浄水処理を取り入れないのか？と疑問に思っていたのですが、原水がキレイな場合は、高度浄水処理を取り入れる必要がないので一般的な沈殿ろ過方式で十分なのだそうです（説明を頂いた浄水場の方より）。
東京都の隣の埼玉県では高度浄水処理を採用しているのは新三郷浄水場のみ、その他の浄水場は、それぞれの浄水場に最適な浄水処理方法を調査・検討する浄水方法最適化検討実施調査を実施しながら、今のところ従来の方式で対応しているようです。
主要な浄水場がすべて高度浄水処理になっている東京都は、なんと素晴らしい！と思っていましたが、原水があまりに汚いので、高度浄水処理をやむなく導入しているんですね（泣）少し考えを改めました。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

油を流さない。合成洗剤を大量に使用しない、出来れば天然のモノを。
環境に負荷をかけない行動は、身近なちょっとしたことから始められますもんね。
さっそく、食器用洗剤を「台所用液体石鹸（純石鹸分（脂肪酸カリウム））」に変えました！
そうそう、皆さんは石鹸と合成洗剤の違いをご存じですか？
石鹸は、汚れを落とす成分が石鹸（脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム）であるものを言うんです。そして、それ以外を全部合成洗剤って言うんですよ〜。
ですから、「脂肪酸系」といった紛らわしい「天然物質である脂肪酸を原料に化学合成された洗剤」ではないものを、私はちゃんと選びました！

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

実は、一般的に売っている液体の身体洗い用ソープ（あえて石鹸とは言いません）だと、私は肌が痒くなったり、ポツポツ湿疹が出ちゃうんです。
ですので、ずっと石鹸を使用していたので、これを機会に食器洗いも石鹸にすることにしました。
何故もっと前から始めなかったのか…お恥ずかしい。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

5月もあと僅か。6月からは特定建築物に該当する施設（詳細は、日本分析HP http://www.n-bunseki.co.jp/drink/ をご参照ください。）では、除去率60％の消毒副生成物（トリハロメタン類）の検査がいよいよスタートです。
検査用の検体のお取り忘れにはくれぐれもご注意くださいね。法定の検査期間は9月末日までです！

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

浄水場の皆さんのご苦労やご努力を無駄にしないように、家庭で出来ること（界面活性剤でないものを使用する）、そして仕事で出来ること（正確な精度の高い数値を社会にご提供すること）に、私も微力ながら努めて参りたいと、気持ちを新たにした見学会でした。

追記
近くには、柴又帝釈天もあり、寅さんの雰囲気も堪能できますよ〜

小雨降る生憎の天気だったため、写真が暗くて申し訳ありません。