第10回 残留塩素について
残留塩素について
水道水を蛇口から汲んですぐ、そのまま飲用すると塩素臭が感じられます。シャワーや室内プールなどでも塩素臭が鼻についたりします。ご家庭では浄水器や、煮沸などで「カルキ抜き」をして、お茶やコーヒーを淹れたりなさる方も多いと思います。観賞魚を飼っている方は、「カルキ抜き」の薬剤を使ったり、お日様の光に当てたりして水道水の塩素を除去してから水槽のお水にお使いでしょう。
子供のころ、プールの底に沈んだ塩素剤でカルキ臭を嗅いだ思い出はありませんか?プールではさらに添加したり、お水本来の味にするために除去したり・・・。
水道水に含まれている”塩素”は、どんなものなのでしょうか?
日本では、「水道法 第22条」(衛生上必要な措置)に基づき、「水道法施行規則 第17条 第3号」により、「給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。」と定められています。これは、病原性の菌を殺菌し、安全に供給するために塩素を添加するということです。
つまり、残留塩素とは、殺菌や、添加した塩素が分解してもなお、水道水中に残留している塩素、ということになります。
(※本文では、「塩素」は消毒効果がある塩素剤としての次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン等をいいます。)
しかし、塩素は水を消毒すると同時に、独特のにおいと味をつけてしまうため、 水本来のおいしさを失わせるものであるとして、時として敬遠されてしまうことがあります。
普段、蛇口をひねると、無色透明で清潔な水道水がとだえることなく流れて、水道水は最初からきれいな水で存在するような気がしますが、水道水の水源は、河川などから供給されています。
水源から取水したお水は、浄水場で土砂やプランクトン、塵などを除去し、その後に有機物などを分解・除去してろ過処理をし、蛇口から出る水道水が衛生的に保たれるように塩素消毒して供給されます。もし、消毒されていなかったら、たちまち雑菌に侵されてしまうことでしょう。
もしも水道水に塩素がなかったら、水を安心して飲めるでしょうか。 その水でまな板や野菜を洗って調理することができるでしょうか。 指などを切ったときに傷口を洗ったり、 目にゴミが入ったときに水道水で目を直接洗うことができるでしょうか。
普段何気なく行っているこうした行動が安心して行えるのは、 水道水に雑菌がはびこらないように、塩素剤によって消毒されているからなのです。
しかも塩素剤として使用されている次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムは消毒効果が高く、残留性も高いため末端まで安定して供給出来るのです。
残留塩素は衛生管理上、非常に重要なものですが、消毒の効果を確実に持続させるために、 残留塩素の濃度(塩素剤の効力が失われていないことを示す値) が給水栓(ご家庭の蛇口等) で一定以上を保つよう適正に管理しなければなりません。
塩素剤は浄水場で注入されますが、 時間がたつにつれてだんだんとその効果は失われてゆきます。
特に、気温の高い夏場は雑菌の繁殖能力が高く、水道水に添加された塩素の消失が激しくなるとともに、水温の上昇に伴い、受水槽内でも塩素も消失しやすくなります。そのため、給水栓において遊離残留塩素が0.1mg/l以上というのは、非常に重要です。
今回のブログは、広報委員会 S & Y が担当いたしました。(写真は全てイメージです。)
(「いまさら聞けないアレコレ」もだいぶ御無沙汰してしまいました。)
最後までお読み頂いてありがとうございます。
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